perverse

幸せになろうとしている私を阻もうとするの？
時計を見ると5分は過ぎていた

「時間も過ぎましたので、失礼します」

去ろうと立ち上がろうとしたら……抱きしめられる
懐かしい感触だとは思ったけど、そんな事を思ってはいけない
両手で彼の胸を突っ返し、拒否していることをアピール

普通はここでわかるだろうと思っていたが、翔は違った

「お願いだ。俺の所に戻ってきてくれ」
とまた訳のわかないことを言う

戻る？何言ってるの？4年前、私の前から去っていったのは、貴方だよ。って言いたい。叫びたい

でも、ダメ。言っても聞かない、理解できてない

「何か勘違いされているのではないですか？」

取りあえず私は兄の婚約者というスタンスは絶対はずさない。元カノの情を見せれば付け込まれる。それだけは避けたい

「何が？」
「戻るも何も私を捨てたのは貴方。他の人と結婚して子供も作ったのは貴方。常識的に考えても私が入る隙はないですよ。」
「でも……」

何か言いたげだけど、諦めたように何も言わなくなった
これで帰れる。もう一度立ち上がろうとしたけど、今度は手を掴まれる

「しつこい！」

怒りがこみ上げてきた。何を話しても終わりそうにない翔に切れそうな私がいる
切れてしまって怖い女と思われた方が楽かな。翔の嫁のように…