perverse
次の日の朝
目が覚めると私は宙さんの胸の中
久しぶりの宙さんの匂いではなくお酒の臭い
どれだけ飲んでいるんだ?って思ってしまう
昨日疲れて機嫌が悪いように思えたのは飲みすぎなのかもしれない
でも、久しぶりに宙さんの体温を感じれただけでラッキーって思うことにする
時計を見ると6時
朝食の準備でもしよう
昨日は夕食を食べていなかったのでお腹がグッーってなっている
モヤモヤしている気持ちは、幾分薄らいでいるような気がした
とりあえずお腹に物を貯めよう
空腹だとネガティブになりがちだから
宙さんを起こさないようそっと起きベッドを後にする
8月ももうすぐ終わりで暑い日中だけど、朝だけはさすがに清々しい
私はベランダに出て、ウーンと背伸びをした

朝食の準備をしていると宙さんが起きてきた
「おはようございます」
『おはよ』
二日酔い?まだ機嫌が悪いようだ

話はそこで止まってしまった
ここ数日会話が最小限になっているため話の切り出し方をお互い忘れている?かのように、無言の時間だけが過ぎっていく
食事が終わりそうになった時
「帰りは遅いですか?」
『、日勤だからいつも通りだと思う』
「わかりました。今日はゆっくり話ができますね」
と私が言うと怪訝そうに
『何の話?』
と聞き返してくる
私はとびきりの笑顔を作り
「夜のお楽しみです」
とだけ言ったられ以上何も言ってこなかった

二人の間に流れる不穏な空気を払拭したい
そして私の思い、疑問、今まで我慢していた事を口にする
実はこの前翔と話した時に気づいたことがある
翔とは同い年や長い交際期間があったので、お互いタメ口で気を使わず平気でキツイ事も言える仲
過去に友達であって、彼氏であって、家族になろうとしていた存在
でも宙さんは交際期間が短い事もあって、二人の間には友達という部分が欠落している
見えない上下関係が再会した時から常に存在していて、今でも彼は私にとって4年前と同じ翔の兄なのだ
だから何かを相談するとか本音をぶつけるとかできなかった
付き合うぐらいならそれでもいいかもしれないが、私達はこれから家族になる
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