perverse
◇
今日は仕事が忙しくて疲れた
帰りの電車の中で項垂れている
実家に帰ろうとしていたけど、なぜか宙さんに会いたいと思った
宙さんのマンションがある駅に電車が到着
無意識に降りてしまう
さて
『行く』という連絡をしていない
ちなみに宙さんは当直明け
おそらく自宅で昼寝をしているはず
別に今日行かなくても明日には会えるの
なぜか無性に会いたくてマンションに足が向かう
いつもと行動が違う

トコトコ歩き宙さんのマンションの部屋に到着
結局、連絡しないでここまで来てしまった
ちなみに合鍵は持っている
このまま入る?それともインターフォンを鳴らす?
たぶん宙さんはいる
私は婚約者
ドアノブを開けると鍵はかかってない
普通に入る
玄関のタタキには宙さんの靴と見慣れない男性用の革靴が1足
来客かなと思いながら、リビングに向かう
「美波を返してくれ」
と聞き覚えのある声がドアの向こう側から聞こえる
翔
確か引越しの時、翔一家に押しかけられないために秘密にするって言ってたんじゃなかた?
なぜここにいるの?

今日は来るべきじゃなかった
まだ私の姿を見られている訳じゃないので、そっと帰ろうとすると
足音が響いたのか『誰?』って宙さんの声が聞こえ、こっちにやって来た
目の前にあるドアが開くと怖い顔をした宙さんの姿
「こんばんは」
ヘラッと作り笑顔をするけど、ワザとらしい
翔との話を聞かれたくなかったのか、宙さんの顔が引きつっているようにも見える
「お客様が来ていたのね。ゴメン知らなくて。帰る」
玄関に向かおうとしたら腕を掴まれる
「翔が来ているんだ義姉として挨拶してくれない?」
いつもの悪戯げな笑みを浮かべながら言う宙さん
何か企んでいる?
悪い予感がして一瞬、背中に悪寒が走った
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