perverse
トイレの個室で声をこらえて泣いている私

遠慮なく涙は止まらない

翔と別れてからの4年間、思い出と微かな望みだけで生きてきた私に引導が渡された

酔っているせいか、ふわふわしている

『これはきっと悪い夢・・・・』

と思いたくなる



何分ぐらいたったのだろう?

あんなに溢れていた涙も止まってきた

涙が止まったせいだろうか。
少し冷静に考えることが
できるようになった。

今、私がすべきことは・・・

この場から速やかに去ること

1秒でも早く宙さんと別れて、翔と関係するすべてのものと決別することだと思った

両手で頬をパチンと叩き気合を入れる

人気がなくなったのを確認し個室から出て、化粧直しをする

鏡に映る私の顔は泣きすぎて酷すぎ

特に眼がエライことになっているので、アイメイクを入念に直した

『これは鎧』

宙さんと別れるまでこの鎧は取らない

と心に決める

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