perverse
席に戻ると宙さんはスマホをいじっていた

私と目が合うと、安心したかのように微笑む宙さん。

「今ね翔からLINEが来たんだ」
「・・・・・」

意外な言葉にどう返事していいかわからない

宙さん、翔の結婚を知って、さっきまで号泣していたのわかってます?

・・・と心の中でツッコムも、何も言えないでいると

「今、実家に来てるみたい。 美波ちゃん、一緒に来る?」

悪戯に微笑む宙さんに

『悪魔!』

って叫びたい私がいる

意地悪な宙さんに対して

帰りたい・・・

という気持を察しってくれるよう、無言を貫く

本当に辛い

私達の間に微妙な空気と時間が流れている

ーーーさすがに数分たって宙さんは気づいてくれたのか

「そろそろ出ようか」

と言ってくれたので、安心した

伝票をレジに持って行き、会計をしてくれる宙さん
私は店の外で待つ

あと少し、頑張れ私

今は最後の力を振り絞るしかない

宙さんにお金を払って、電車に乗って帰る

このスケジュールさえこなせば、私は解放

自由になる!

翔からも

過去の私からも





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