perverse
キーケースを取り出す

マンションのエントランスの鍵を開け我が家に向かう

わが家は1階なのであっという間に着いた

ドアの前でお別れ・・・と言いたいところだが近所の目もあるので、とりあえず玄関に入ってもらう

ドアの中は真っ暗

右側にある玄関のスイッチをつける

「一人暮らし?」

私は頷き

「姉は結婚して、親も単身赴任中なので・・・・」

時計を見ると11時を過ぎていた

「家まで無事送り届けたので、じゃあ、これで」

私の肩を抱いていた左手を下す

心地よかった宙さんの左手が私の肩から離れ、少し寂しい気持ちになる

上を見上げると宙さんの顔

優しい表情で私を見つめる

私もそれにつられて宙さんの瞳を見つめてしまう

そんな私を宙さんの両手が軽く私を抱きしめる

「美波ちゃん・・・・ルール違反だよ・・・・」

耳元で囁く

私は久しぶりの人肌が懐かしかったのか、理由はわからないけど嬉しい気分になり瞳を潤ます

このまま何が起きても私は後悔しない

なんて思っている私がいる

ヤケクソなのか恋愛感情なのか

今日はいろんなことが起こりすぎて、今の私には判断力がない


宙さんはそんな私を見て、私の額に軽くキスをする

「土曜日、朝の10時に車で迎えに行くよ」

と言って笑顔で去って行く

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