perverse
バスルームを出ると、ビールの缶を片手にニコニコしている宙さん

私の全身を舐めるように見ているのは気のせい・・・?

「ビール買ってきたのですか?」

「車に荷物を取りに行った時に、下のコンビニで」

と冷えたビールを私に渡す

「バルコニーで乾杯しようか」

と有無を言わさず私を外のソファーに誘導した

『私、下着つけていない・・・・どうしよう』

と思いながら、相変わらず、宙さんのペースに流されている私がいる


二人でソファーに座り「乾杯」とビール缶をコツンと合わせる

「おいしいですね」

シャワーの後のビールは格別だ

そんな私をジィッーと見つめる

「すっぴんの美波ちゃんもかわいいね」

恥ずかしい・・・・

「今から化粧してきます・・・」

と立ち上がろうとすると、腕を掴み引き留められる

「これから結婚するのに、これぐらいいいよね?」

ってまた悪戯な笑顔で微笑む

私の腕を掴んだ宙さんの手が肩に回る

『ノーブラなんだ。どうしよう・・・』

気づかれないか、ちょっと心配

それよりも・・・早く下着を持ってバスルームに行きたい

下もはいていないし・・・・

「美波ちゃん、カワイイ。顔真っ赤だ」

って言うけど、理由はさすがに言えない

早くこの場を去りたい・・・


「俺、ずっと結婚したいって言ってるの冗談と思っているでしょう?」

コクンと頷く

「美波ちゃん、真実を知りたいって言ったよね」

宙さんの顔を見上げると、真剣な眼差しで私を見下ろしている

「俺の口から話してしまうと確実に悪口になってしまう。 だから翔の現実を美波ちゃんに見てもらいたい。」









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