嘘はもう、
…ん?
あ、この匂いもしかして…。
ハッと顔を上げて背中にかかったものを見た。
「えっこれ」
なんと吉田くんのカーディガンがかかっていた。
横にはカッターシャツの袖をまくっている吉田くん。
「…ん?大浦さん、寒がりでしょ?」
「な、なんでそれを…」
教えてないのに、私。
「さっきからずっと腕さすってたし、顔もなんとなく寒そうな表情だったしね」
そんな態度に出てたんだ…。
することまでイケメンって惚れない女子いないよ。
と現実に浸っていてから気がついた。
「いやっ吉田くんが、寒くなっちゃう」
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