breath
楽しい時間はあっという間に過ぎ、夜7時を過ぎる頃私達は帰路に
外食もしたのでマンションに着いたのは午後9時を回っていた
私は駐車場まで一緒に行かず先にマンションの玄関で車を降ろしてもらった。11月とはいえ身体が冷えている為お風呂の準備をする為だ
マンションのエントランスの外に女性が一人、寒いのに待っている
あの人どこかで見たことあるような
心臓がドキドキしてきた。
たぶんあの人だから
樹さんに連絡したほうがいい?とも思ったけど、このマンションは複数入口があ、駐車場から部屋に入る入口はここではない
、樹さんとあの人が会う確率は低い訳で今、彼女を見た私が駐車場に戻ったら怪しまれるかもしれない
何事もなかったように他人のフリをして普通に住人として合鍵を使ってエントランス内に入る
それから数分後に樹さんが帰ってきた
時間が短いということは、樹さんは藤崎さんと遭遇していない
私はエントランスの前に立っていた藤崎さんの話をすると、スマホを出し着信を確認する
「見て」
差し出されたスマホの画面には着信15件、全て藤崎さんの名前だった
部屋の前に立っている彼女を思い出すと怖くて鳥肌が立つ
樹さんは部屋のインターフォンの電話を確認。インターフォンでうちの部屋を呼び出すと録画がされる仕組みになっているからだ
そこにも藤崎さんの画像が10回以上残っていた
「インターフォンが鳴っても、出たらいけないよ」
コクンと頷く
樹さんは着信の返事をするかと思ったけど一向にその素振りを見せない
「藤崎さんに電話をしないんですか?」
「するわけないだろう?」
相手はマンションの1階にいて、電話をしたら部屋に入れなければいけない
そうこうしているうちに、またピンポーンってインターフォンの音が鳴った
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