breath
真っ直ぐな眼差しで、私の目を見て言う樹さん

彼は、会社の同僚の仕事をやり易くするために、藤崎さんに近づいた。そういえば、昨日の飲み会でも、誰かそんなこと言っていたっけ

「仕事のため……だったんですね」
「ちょうど、主任に昇格した時で、部下に少しでも仕事のやり易い環境を与えたあげたかったんだ。」

言っている意味はわかる。私の直属の上司も、いろいろ配慮してくれている。

「藤崎も直属の部下だし、いろんな悩みを聞いていたのは事実だ。それは恋愛感情ではなく、仕事の関係のみの付き合いのみだ。」

「藤崎さんは、それを勘違いしたってことですか?」

樹さんは首を横に降る

「違う。彼女は賢いから利用しただけ。彼女にとって不倫相手は本命で、略奪したいくらい好きみたいだから」

「それって……不倫のことって会社の人は誰も知らないんですか?」

「俺の同期はみんな知っているよ。部内の半分の人は、たぶん知っている
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