breath
8
樹さんに真実を告げられ、彼の嘘を知る

私のためについた嘘だから、怒る気にはなれなかった

実は、薄々気づいていた彼の嘘

都合の良い話だと思っていたし、藤崎さんの態度からすると納得した

昨日は何もできず、ただ泣くしかできなかった

そんな自分にに呆れている私

『私は守られてばかりではいけない』って思った。強くなりたい……とも思った

それを思った瞬間が、彼が私に嘘を告げた後

自分を奮い立たせるように言った

私は……今、変わらなければいけない……だから……

そんな私を見て、樹さんは『決着したら迎えに来てくれる』と言ってくれた

その言葉に期待する私

藤崎さんの存在がなければ私は幸せになれると思った

邪魔な彼女がいなければ

彼女さえ追い払えれば、私は樹さんと一緒になれる

結婚できる

その時は私の未来はそうなることを確信していた

だから、今は樹さんを信じている

私を迎えに来てくれることを
< 193 / 657 >

この作品をシェア

pagetop