breath
私の心を読んだかのように、全てお母様が買ってくれた

金額的にも自分で出すというには躊躇する金額

「ありがとうございます……」

ペコって頭を下げてお礼を言う

お母様は満足げに『また買い物一緒してねー』って嬉しそうに言ってくれたのが、私には救いだった

そのあとは、高級そうなレストランでランチをする

「今日は樹とデートじゃなかったの?」
「ーーーーーー」

どう返事をしていいかわからない私。

私が樹さんのマンションを出てから、一切連絡がないとは言えない。

私がコーヒーシップで待ち伏せして、たまに数分会えるぐらいとも言えない

どうみても、おかしいに思われるに違いないから

「明日美ちゃん、何か悩み事があったら私に相談してね。樹、一人っ子だったから、甘やかしてばかりで。明日美ちゃんに無意識で嫌な事をしているかもしれないし……」

その言葉を聞いて、さすがに『はい、されてます』とは言えなかった

この時、素直に相談する事ができたら、私達は、もっと違う道を進めたかもしれない
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