breath
でも、私に巻き付いた専務の腕は離れない

「専務」

ただの部下であるしかない私にするこの行為、部下の枠を超えすぎている

そしてなぜ、こんなにしてくるのか理由がわからない


「俺はお前を裏切らないから、だから泣くな」


耳元で囁く専務の言葉

いま、私が一番欲しかった言葉

冗談かどうかはわからないけど、少しだけ心が救われたような気がした

それから数分後、溝口室長のノックの音で、この抱擁は終わる事ができた

その後の就業は、頭の中がボッーして思考能力がゼロに近い状態

今日の仕事は、資料作りなので手は動かしていたが、考えて凝った物をつくるという作業はできなかった

専務は溝口室長と部屋を出て行って、それから私の就業時間終了後、帰ってくる事はなかった

会議に行ったにことは知っていた

専務が私に行った言葉が忘れられない

この不安な現象は、時間しか解決できないだろうか?
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