breath
そういう気持ちで胸はいっぱいだった

でも……そう告げたい樹さんはアメリカ

思いをぶちまけて怒鳴ることも、体温を伝えることも何もできない場所にいる

一番痛いのは、全く連絡が取れない事。そしてくれない事……

口に出さないけど、苦しく、胸がはち切れるくらい辛い

でも……誰も助けてくれない……絶望していていた……

そんな時、専務に優しい言葉をかけてくれるなんて……

予想外で、思ってもみなかった

今でも崩れ落ちそうな、壊れそうな私

でも、そんな都合よく専務に縋っていいの?

たぶん駄目だと思う

もしそうして樹さんが知ったら……彼は本当に私から離れてしまうかもしれない

私は専務に好意に甘えてはいけない

「専務、今は大丈夫です。本当に駄目な時は頼ります。その時はよろしくお願いします」

私はどん底の気持ちを奮い立たせて、言葉を口にした
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