breath
専務は多忙にも関わらず、私の仕事は定時で終わる

私は雑用で、重要な仕事は溝口室長がやっているので仕事自体、そんなに忙しくない

私は定時終了のチャイムが聞き終わると、席から立ち上がり「お先に失礼いたします」と言い、専務室を後にし帰り支度をする

会社を出て、何も考えず駅に向かう

何かを考えてしまうと1ケ月前の幸せの時を思い出してしまうから

通っていたコーヒーショップの前を通り過ぎても、脇目も触れず素通り

コーヒーショップを目にいれるだけでも、あの頃の事を思い出して辛くなる

駅に到着し、改札口に向かっていたら

「望月さん」

呼び止められる声がしたので振り向く

そこには少しお腹が出てふくよかになった藤崎さんがいた

私は会釈をして通り過ぎようとすると、ガシッと腕を掴まれて

「貴方と話がしたいので。少し時間を取ってもらえない?」

と言われた

私達は初対面。

話したいとは思わなかった
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