breath
家にタクシーが到着し、普段通り家の中に入る

お母さんは外出しているのだろう。玄関から真っ暗だった

私は玄関から直接自分の部屋に入る

真っ暗な私の部屋

ここだけが私の世界

ベッドに横になると、ホッとしたのか急に涙が溢れてきた

樹さんの顔が頭に浮かぶ

ーーーでも……樹さんの全てが藤崎さんのもの

今……最後に望む事……

樹さんの声が聞きたい

貴方から真実を聞きたい

私は携帯をバックから取り出し、樹さんの番号をタップする

時差があるかもしれないけど、もうそんな事を言ってられない

ドキドキする

『おかけになった電話は現在使用されていません』

携帯を解約していた

樹さんは私を切り捨てた?

私は樹さんの婚約者なのに

藤崎さんは連絡が取れるのに、私は取れない

直接、樹さんからの説明もなく連絡もくれない

実は、樹さんの出張先を専務に聞いてみたけど、帰ってきた言葉は『知らない』の一言だった
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