breath
「用はそれだけですか?」
「ええ」

彼女は私に対して余裕な笑みを見せる

勝者は強い、そう思ってしまった

敗者の私は、またどん底に突き落とされた気持ちで、悔しい感情と情けない感情がむき出しになり、今にも涙が出て来そうだ

敗者の私にもプライドがある

私は必死に涙をこらえ「ごちそうさま」と言い店を出る

店を出て10歩ぐらい歩いた所で、涙が溢れ出す

時刻はもうすぐ7時

あたりは日も暮れ、暗くなっているので、私の涙は目立たない

でも電車で帰る勇気はなかった

絶対泣くと思ったから

私の重い足取りはタクシー乗り場に向かい、乗り込む

ここから実家までの料金は5000円くらい

痛い出費だけど、背に腹は変えれない

行き先を告げ、その後はずっと窓の外を眺める

不思議と涙が出ないのは緊張感のせい?

この後、洪水のように出るから、今はせき止めているだけ?

絶望感から味合う屈辱の中、少しだけプライドが残っていたのかもしれない
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