breath
樹さんの目が泳いだのを私は見逃さなかった

「病気って?」

えええええっっっーーーー知らないの?

私が貴方のせいで、あんなに苦しんでいた事を

衝撃の事実に驚愕していると、樹さんの携帯に着信があったようで「失礼」と言って部屋から出て行ってしまった

私は樹さんに捨てられた理由で鬱病になった事を告げるべき?

今は婚約者ではなく、ただの会社の同僚

普通、会社の同僚にそんな私の過去を話すなんてありえないよね

あんなに苦しんだのに……

二年ぶりに再会した樹さんが、あの最後に会った時と態度が変わらないのが気になる

でもお互い大人だし、社会人だし……この態度が悪いとはいえない

頭の中でグルグル考えていると、樹さんが部屋に戻ってきた

私はヤバイって思ってしまい、社長室にある資料を慌てて手に取り、仕事をしている振りをする

「明日美……」

振り向くと、私の後ろに樹さんが立っていた
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