breath
私は助手席に乗り込むと、樹さんは車のエンジンをかける

「高宮さん、この二年間中国に行かれていたんですか?」

私の問いに驚く樹さん

「明日美、知らなかったの?親は明日美に伝えておくって言ってたのに……」

「私は何も聞いてません。アメリカに行ったのも社長が調べて教えてくれたぐらいですから……」

「嘘……?」

驚いている樹さん

この二年間、私達二人の間に見えない邪魔する何かがあった

それが何なのかは今の私にはわからない……

「ごめん……明日美……俺、何も知らなくて……不安だっただろう?」

私を気遣う樹さん、でも……私達の間にはこの2年間の月日が作ってしまった溝がある

「いえ……もう大丈夫です。もう終わった事ですし……」

私はもう前を向いて進んでいる

あの苦しかった過去にはもう振り返らない

振り返れるほど私は強くない

心の中で念じながら、気持ちを伝える

私が纏っている鎧を壊さないように、壊さないように……
< 356 / 657 >

この作品をシェア

pagetop