breath
「通勤電車で読む程度です。私が中学の時って高宮主任と私って何か関わりありました?」
と聞いてみた。私の過去に全く主任の存在はない。もしかしたら私の覚えていない何かがあるのかなって思い聞いてみる。
返事は「ない」の一言
「でも、知っていたよ」
「そうなんですか?」
「浅野の自慢の彼女だったからね」
言葉につまる。だって付き合うっていっても中1女子と中3男子の恋愛でクラブ後一緒に帰る程度の交際。私自身、美人でも可愛いわけでもなく普通の女子中学生だった訳で、何一つ自慢すべき事はなかった。
「何か自慢する事あったんですか?」
少し沈黙が。主任は目を揺らしながら私を見つめた。そしてギュって私を抱きしめて
「俺が不甲斐ないために自慢するネタを提供してしまった。ゴメン今はそれ以上言いたくない」
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