breath
「申し訳ございませんが、私は社長秘書なので一社員のプライベートの事に関しましては取り扱いはできません」

ペコッとお辞儀をして内線電話をかける

かけた先は人事部長

要件は、この先の予定と社宅の件の確認

私は二人の元に戻り

「人事に確認いたしましたら、社宅は用意済。もし高宮さんと同じ物件がよろしいのならその物件の賃貸をご自分でお探しになって、費用を全額負担されるのなら可能だということです」

彼女は怒った表情をして

「わかっているから貴方に頼んでいるんじゃない」

全く引かない前田さんに、どう断ろうかと考えていると

「前田さん、ここは日本で今の君は社長とは縁故関係はない。一社員だという事を肝に置いておいた方がいい」

冷たく助け舟を出してくれた樹さん。有難いとは思ったけど、前田さんは急に彼の左腕を組みだして

「私と樹が結婚すれば縁故関係が戻るじゃない」

笑顔でそう言った

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