breath
社長室には私と社長の二人だけ
沈黙の中、気まずい空気が流れる
「社長、お昼ご飯は食べられましたか?」
「ああこれからランチミーティングだ」
「そうでしたか。お昼休みの途中なので、申し訳ないですが昼食をいただいて良いですか?」
そう言い席に戻ろうとすると、ガシッと腕を掴まれる
「誤解があったかもしれないから言っておくが、私は明日美を秘書として認めている。前田君を秘書にするから君を飛ばすという事は絶対ない。後は、自宅に帰った時に話す」
「了解しました」
そう言い、社長は急いで会議室に向かった

金曜日と今日、本当に前田さんに絡まれる
面倒くさい人だと思う
できれば関わりたくない
その一言につきる
私は席に戻り、お弁当の続きを食べる
本当は食欲がないけど食べなければ、また痩せてしまう
取りあえず、無心で口に運んだ

その日は社長は早く帰るという事なので夕食の準備をする
帰り、自宅近くのスーパーで買い物をして帰宅
食材を持って社長の部屋に向かう

社長一人なら自分の部屋で作って持っていけば良いけど、居候の樹さんの分もあるのであちらのキッチンを使わせてもらう
合鍵を使い社長宅にお邪魔し、キッチンに行き準備を始める
今日も野菜中心の和食
焼き魚とおひたしとひじきの煮物、肉どうふ、キノコの味噌汁
ここ数日、外食が続いている社長なのでカロリー低め
たぶん樹さんには物足りないだろう
以前だったら、このままリビングで待たせてもらって二人で食卓を囲んでいたけど、さすがに今日は樹さんも居てるのでやめておこうと思った
鍵を開ける音が聞こえる
社長かな?と思い、出迎えようと玄関にお出迎えに行くと樹さんがいた
「お帰りなさい」
「食事を作りに来たの?」
首を縦に振り頷くと、樹さんは急に右手を掴む
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