breath
そして指輪を確認するように指にキス
「指輪をしていない」
「仕事中は他の女子社員の目があるので止めました」
これは嘘ではない
実際、前田さんは社長室に乗り込んで来た訳だし
「あー香奈ね、明日美をイジメそうだな」
「わかっているのなら強制しないで下さい」
「今日も香奈がイジメに行ったんだって?」
「知ってるんですか?」
「昼休み明けに、泣いて帰ってきたから愚痴を聴いてやった」

樹さんと前田さんの関係は愚痴を聴いてあげる仲なんだ
ふっと浮かんだ藤崎さんの時の事
そんなに優しくすると前田さんは勘違いするんじゃないの?
二年前と同じような事が起きないか不安になる
前田さんは藤崎さんに何となく似ていると思うのは気のせいだろうか?

「そうですか?何か言ってました?」
「気になる?」
「はい」
「明日美の代わりに秘書をしてこの会社で生きていこうと思っていたけど、明日美に品性がないって言われ匠さんにも怒られらたって」

あの時の事が思い出される。嘘はない。事実だ

「私の代わりに秘書をするってどういう事?」
その話は、まだ社長から聞いていない

「匠さんから聞いていないんだ。俺が言ったって内緒だよ」
って言いながら教えてくれた

帰国してから経営管理室で働いている前田さん。性格が災い?元から仕事ができない人で社長に苦情がいった。社長は前田さんの実家に行き事の経過を報告。娘さんとは離婚しているので縁故として義理で会社に置く事もできないことは了承された。前田さんの親は退職して見合いをして結婚をすることを勧める
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