breath
「この話を聞いたらショックを受ける。病状の事を考えたら治ってから話しても遅くない。それでも聞きたい?」
私を闇に突き落とした犯人
聞くのは怖い。でも聞かないと前に進めないような気がした
「もしショックを受けたら樹さんが治るまで付き合ってくれるんですよね」
狡いかもしれないけど樹さんは絶対拒否しない
だからあえて言ってみた。樹さんは私に頼られたのが嬉しかったのか一気に晴れた表情になった
「じゃあ話すよ」
樹さんが口を開いた時、ドキドキが止まらない
私は深呼吸をし彼の言葉を待つ
「明日美に手紙を直接手紙をだしたのは俺の部下の中川だ」
やっぱり。樹さんの車を傷つけた防犯カメラで写っていた
彼女が犯人だったとしても何も違和感がない
「犯人は中川一人ではなく組織的なもの」
「組織的?」
「中川は縁故入社で父親は元工場長。匠さんがここの社長になった時、品質管理部に異動させた」
つまりて事実上の降格
この人事は私の異動前の事だけどその事は知っていた
ただ中川部長と中川さんが親子だという事は全く知らない
「つまり中川親子は匠さんを恨んでいる」
「でも、降格にはそれなりの理由があったんでしょう?」
「いろいろね。その一つに権力を傘にこの会社の就職斡旋かな。そしてその行為には謝礼という形でお金が動いている。金額でいえば何千万円単位だ」
縁故入社が多いのはわかっていたけど、まさかその裏でそんな事実があったなんて
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