breath
「そこに湧き出てきた子会社売却の話。今までうま味を味わっていた奴らからしたら慌てただろうね。売却されたら人件費の高い自分達がリストラ対象になるんだから。だから奴らは手段を講じる。売却を決める匠さんや本社の社長である俺の父に揺さぶりをかけようと考えたようだ。ちょうどその頃、本社社長の息子の俺が転勤してきて偶然にも娘と同じ部署になる。中川の父親は娘に色仕掛けで俺に近づくように娘に命令をした」
一瞬、私は言葉に詰まる
そんな事があったんだって
でも中川さんが色仕掛け?
想像するだけでも有り得ないと思い笑ってしまう
「明日美も有り得ないと思っただろう?」
樹さんも吹き出して大笑い
それもそのはず。中川さんの風貌は色仕掛けしても男性が絶対なびかない容姿をしている
「中川も可哀相だったよ。父親とかその周辺の人にプレッシャーをかけられて」
リストラ候補のになる可能性を無くすために皆必死だったんだ
でも25歳やそこらの小娘に期待してもやれる事なんか限られている。哀れだな・
「はアイツなりに必死だったけど俺は全く相手にしなかったし断った。婚約者がいるとね。
アイツは婚約者がいてもいいからって何度も誘ってきた。あまりにしつこいから人事部長に報告したら人事部長が中川の就業状況の実態を調べだした」
そんな展開になってたんですか?
「内容は知らないけど結構酷かったらしい。人事部長は中川の異動を検討しだした。中川は人事の後輩からその話を聞き打開策を見つけるために俺と明日美の人事ファイルを調べた」
「平社員の中川さんは見る事ができないんじゃ」
社長秘書である私でさえ見る事が許されない人事ファイル
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