breath
それから部屋の荷物の整理をするために客室に戻る
なぜかハルちゃんを抱いている樹もついてきた
ハルちゃんの頭を撫で撫でして「ありがとう」と呟く
散歩に付き合ってくれたり無邪気な姿で癒してくれて回復に一役買ってくれた
「結婚したはらペット飼う?」
「まだ考えられない」
一回裏切られているのでそんな話をされても乗れない自分がいるのも確かで『今回は違う』と言い返しても信じられない私がいる
きっと病気のせい
完治したら前向きに生きれる
「頼みがあるんだ」
「頼み?」
「前にさこれとお揃いのリングを買っただろう?」
左の薬指にしているリングを見せる
樹に買ってもらって数回つけただけで今はしまってある
ちなみに樹はオンナよけなのかどうかわからないけど、律儀にあれからずっとつけている
「それ社宅にあります」
急だったので持って来ていなかった
不機嫌な顔をする樹
「ごめんなさい。急なことだったので。社宅に帰ったら寝室の鏡台の引き出しに入っているので送って下さい」
私が樹に言っていることは適切だと思う
彼はお気に召さないようで立ち上がって私の腕を掴み「買物に行く」と言う
「何を買いに行くのですか?」
「ナイショ」
相変わらず教えてくれない
仕方なく、彼の言われるままにショッピングに行く事に
車に乗り込み連れて行かれたのは高宮家ご用達の宝石店
見るからに高級店
応接室に通されるところが庶民感覚じゃない
「何を買うのですか?」
「指輪」
当たり前のように言うけど前のファッションリングと婚約指輪があるので指輪はいりませんって思っているけどさすがに言えない
あまりこちらに帰ってこれないから樹は不安なんだと思う
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