breath
「それは大丈夫。世間体を気にする高宮社長の事だ。例えこの話がポシャったとしても樹を外国に飛ばしたりして何もなかったような顔をする。だから心配することはない」
社長は私の手を握る
やばい、また社長のペースに乗せられてしまう
それだけは避けなければ
「何か飲まれます?」
「良いワインがあるんだ。明日美と飲みたいと思っていて」
キッチンにワインを取りに行った
待っている間、私の中では危機感マックス
何が起こるかわからないし心臓がドキドキしている
このまま社長の胸に飛び込めばどんなに楽かって思ってしまったりもする
連絡が取れない樹よりも
でも本当に浮気をしたかどうか確認してからでも、遅くはないはず

美味しいワインとおつまみで社長と私は楽しい時間を過ごす
あれから口説いてこない
いつもと変わらない
時間が経ち酔いが回りだした時
「俺の事をどう考えてる?」
「尊敬しております」
「それだけ?」
「今は言えません」
「どうして?」
「いろいろと考えることがあるので」 
酔っているわりにはそれなりに考えて受け答えをしている
口を割らない私が気に入らないのか、抱きしめてキスをする
激しく私を求めてくるけど、これで良いのか?と思ってしまう
唇が離れた時に
「ムラムラしないのですか?」
「するよ。一応男だから」
笑いながら言い右手で私の後頭部を掴み自分の胸に押し当てる
「最後までいかないのが俺の誠意」
「誠意?」
「強引にやっちゃうと俺と樹に挟まれて辛い思いをするだろう?だかは俺的には辛いけど我慢している訳」
酔った勢いとはいえこんな質問をして少し反省
でもそんなストイックなところが社長らしい

さて困った事に私の身体は社長の胸の中
最期までヤラない事は確認して安心したけど、私の格好は下着なしのバスローブ姿
この体制かなりヤバイ
一つ間違えれば二人の間に甘い空気が流れてもおかしくない環境
「もっと飲みましょう」
言った勢いで身体を離すことができた
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