Vanilla
彼女のフリの最中、手を繋がれずに電車に乗ったのは初めてかもしれない。
手を繋がないと恋人じゃないわけじゃないけれど、私、今ここに居る必要あるのかな。
だって朝永さん、会話をするどころか、私を見ようともしない。
元々口が達者な人じゃないが、違和感を覚える。
機嫌が悪い?
私が何かしたの?
もしそうだったら、何で一緒に帰ろうなんて言ってきたの……?
朝永さんは駅に着いても無言。
改札を通っても無言。
駅を出てお互い傘をさす。
再びお互いの距離が少し出来る。
「あの、土曜日帰れなくて日曜日に部屋探しに行けなかったので、次の土曜日に部屋を見に行きますね」
いつものスーパーも無言のまま通り過ぎ、そのままマンションまで着いた。
エレベーターの中、流石に沈黙が辛すぎて私は口を開いた。
「……」
だが、返事が無い。
どれだけ待っても。
手を繋がないと恋人じゃないわけじゃないけれど、私、今ここに居る必要あるのかな。
だって朝永さん、会話をするどころか、私を見ようともしない。
元々口が達者な人じゃないが、違和感を覚える。
機嫌が悪い?
私が何かしたの?
もしそうだったら、何で一緒に帰ろうなんて言ってきたの……?
朝永さんは駅に着いても無言。
改札を通っても無言。
駅を出てお互い傘をさす。
再びお互いの距離が少し出来る。
「あの、土曜日帰れなくて日曜日に部屋探しに行けなかったので、次の土曜日に部屋を見に行きますね」
いつものスーパーも無言のまま通り過ぎ、そのままマンションまで着いた。
エレベーターの中、流石に沈黙が辛すぎて私は口を開いた。
「……」
だが、返事が無い。
どれだけ待っても。