Vanilla
おまけ　side 朝永秋哉
俺は新卒で今の会社に入社した。
その時から同じ部署の一つ上の水野穂香は面倒見が良くて全員から好かれるマドンナ的な存在だった。
茶色の綺麗な長い髪、背も女にしては高くて、スラリとした手脚、彼女はどれをとっても魅力的だった。

恋愛は人並みにはしてきた。
一目惚れもしたことがない。
それに性格上、すぐに他人に心を許さない。
そんな俺だが、穂香に惹かれるのに時間は掛からなかった。

俺は溺れるように穂香に恋に落ちた。

でも不器用な俺は気持ちを伝えられなかった。

ずっと心に秘めていた。

それが出会って半年後、俺達の関係が変わることになる。


「俺、ずっと君のことが気になってるんだ」


定時後の会社の廊下の隅、同じ課の一つ上の先輩の八木が穂香は言い寄っている現場に出会した。
八木がいつも穂香を見ていたことは気付いていた。
< 477 / 566 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop