秘/恋
……いち……



思えば。

不安定な状態に我慢ができないのは、単にあたしが子供だからかもしれない。


答えのみつからない暗闇で、間違いにつまずきながら永遠に空回り。

そんな予感に怯えて、自分をごまかしたり、忘れようとしたり。

でもどうしようもなくて、もどかしくて、無駄に叫んで泣いてみたり。

あたしは、『そのまま保留』にして、時間に風化していくのを、黙して待つことができない。


そつのない、オトナなやり過ごし方が、できない。

恰好わるい。



本能で欲しいのは、確かな答え。

この苦しさが、いつかなくなるっていう神さまの保証よりも、
どんなにいびつだって、あたしの納得できる答えなんだ。



そんな【答え】のかたち、
想像したこともないくせに。



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