先輩、気付いて下さい。
初めて見る涼太先輩の悲しい顔に
胸が痛む。


「どうしていいか
 わかんなかった。
 好きになった人にどう接していけば
 俺の事も見てもらえるのか。」

「ごめんなさい…。」

返す言葉が見つからなくて謝ってしまう。


「いや、俺こそごめん。
 弱みに付け込んで悩ませて。
 だっせーな。」


そう言って綺麗にセットされた髪を
グシャグシャとした。


何も言えず俯く私と
遠くを見つめる涼太先輩。
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