先輩、気付いて下さい。
---午前の授業が終わりお昼休み

いつも通り愛依と教室で
お弁当を広げていると
廊下から女の子たちの
キャー―ッと言う甲高い声が聞えてきた。

「騒がしいね。何事?」

不思議に思って
廊下へ視線を向けると
その理由はすぐに分かった。

「涼太先輩…」

普通、二年の廊下にいるはずのない
人気者がそこにいたから
女の子たちが騒ぐのも無理はない。

涼太先輩は
きょろきょろしながら
私のクラスへと足を踏み入れた。

そして私と目が合ったと思うと
ニコッと微笑んで近づいてきた。
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