once again
決断
蓮さんの腕の中で私は眠ってしまっていた。
目が覚めた時、蓮さんの顔が近くにあった。

「…蓮さん…」

その顔に触れようとした、その時…

「…目が覚めた?」

「っ、蓮さん。起きてたんですか?」

「いや、俺も今目が覚めたよ。落ち着いた?」

「…はい、すみませんでした」

チュッ

蓮さんが頬にキスをしてきた。

「なんで謝るの?心配だったんだろ、俺が悪いんだからさ、謝らないで」

「はい…」

このままずっと腕の中にいたい、と思った。
出たくないな…

「もうちょっとこのままでいる?って言うか、いたいんだけど」

「私もです、ギュッとして欲しい…」

言って恥ずかしくなった。

「可愛い、好きだよ」

そのまま唇を重ねた。

「…んっ…」

お互いの存在を確認するかのように、体を持つ手が強くなった。

このまま、何もなければいい、何も起こらない事を祈っていた。


どれくらい眠っていたのか、気がついたら腕の中で、外は真っ暗だった。
蓮さんは私が動いても、気がつかない様子で…。
顔を見て、疲れていたんだな、と思った。

♪♪♪♪♪♪♪

私の携帯が鳴っていた。
蓮さんが起きてしまう、慌てて電話に出た。

「もしもし?涼香か?」

「え?兄さん?どうしたの?」

「お前、今どこにいる?」

「え?どこって…」

「すぐ出られるか?」

「な、何?どうしたの?」

いつもの兄とは違い、何か焦ってる様子が電話でも伝わってきていた。
ベッドで眠る蓮さんを見ながら、

「今は無理よ、家じゃないから…」

「どこにいる?迎えに行くから、すぐに用意しろ」

「え?今?ち、ちょっと待って」

「待てないんだ。お前にも関係している事なんだ。説明はあった時にするから、とりあえず今どこだ?」

仕方なく、蓮さんの家の近くの場所を伝えた。
蓮さんを起こさないように、私は部屋を出た。
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