once again
いきなり私に言われても、蓮さんは困るだけだろう。ただの秘書だった私が後ろ盾になるなんて、大きなことを言い出して…

「如月専務、よく考えて下さい。SEIWADOの前社長が、次の後継者にと考えていたのが、ここにいる涼香なんです。そして、私が引き継ぐ1年前実際に、SEIWADOを動かしていたのも涼香なんですよ。だから、私としては帰ってきてもらいたい、とそう思っています」

「涼香、君は…」

「ごめんなさい、蓮さん。私は、あなたと共にやっていきたい。もし、それが叶わないなら、私は如月を辞めます。貴方の許しがなければここにいられないから…」

「…許すも何も、俺は君にいてほしい。ただ、今回の事は特別過ぎてどうしていいのかが、分からない….鏑木物産の事もそうだ。私の手で抑えたかった。それが出来なかった事、そしてそれを涼香、君に頼らないと、いけないという事が引っかかってるんだ」

「いいですか?如月専務。今回、ただの取引であるなら涼香の手は必要なかった。しかし、違うんですよ。あなたと涼香の事か引き金になってるんです。相手が、会社をバックに仕掛けてきたなら、それに向かっていかなければならない。ただの取引でも如月は十分過ぎるほどだ。すぐに立ち直れるでしょう。そこを敢えて、涼香が出ると言ってるからのは、二人でこの問題を考えたいって言ってるんだ。分かりますか?」

兄が私の気持ちを代弁してくれていた。
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