once again
部屋に連れてきてから、泣き続ける高瀬を抱きかかえ、リビングに連れて行った。
そして、困らせてごめんと謝った。

「……もう言わない、会社に戻ろう…」

これ以上苦しめてはいけない。
俺が悪かったんだ、気づかなかった俺が。

そう言った俺に高瀬は

「私も好きなんです…」

と言ってくれた。
ちゃんと聞きたくて、もう一回確認した。
そして「専務の事が好き」と言ってくれた。

気がつけば、強く高瀬を抱きしめていた。
そして、何度めのキスだろう熱く長いキスを交わした。


部屋にどれだけいただろう。
会社を放ってきた事を思い出した。
俺ではなく、高瀬が会社の事を言い出した。
迷惑をかけたのは、匠なんだから放っておいてもいいだろうと思ったが、さすがに、仕事を無視する事は出来ずに、匠に連絡を入れた。

「私の制止も聞かずに、秘書とどこへ?電話も電源を切るし、まさか彼女に話したのか?」

よくもまぁ、そこまで言えるな。
元はと言えば、匠のせいだろうが…
あげくに高瀬を電話に出せ、と。

仕方なく携帯を高瀬に渡した。
今の事は言うなと口止めをした。
勘のいい、匠が調子よく騙されるとは思っていなかったが。

言葉に詰まりながら、高瀬が匠に説明をしていた。
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