恋・愛至上命令。
凪は戻らない。それがどういう意味なのか。あの一瞬で繋がった。

わたしが晶さんとのお見合いを断ることが前提だったのか、もっと前からなのか。お父さんと凪との間で既に話は決まっていたのだ。
そしてわたしが凪との結婚を切り出した時点で。三年の条件が発動する。

それはいい、そんなのはいいの。認めてもらえるなら仕方ないって。どんなに寂しくても我慢しようって。凪を幸せにしたいから。凪と一緒に幸せになりたいから。その為ならって思えるようになる。

信じて凪を待って、そしたら二度と離さない。傍にいないなんて許さない。凪は一生わたしのものなんだから・・・!

分かってる。
凪だって本気で想ってくれてるから決めたんだってことも。
一人前の極道になるって口で云うほど簡単じゃないのも、相当の覚悟がなくちゃ出来ないのも解ってる。
わたしに別れも言わずに出て行くなんて、生真面目な凪らしい。

でも。・・・だけど。
行くときは『行ってきます』でしょ?
挨拶はちゃんとしてって。最初にした約束だったじゃない・・・っ。

凪のバカ。大バカっ。


「・・・ッ、な・・・んで、だまって行っちゃうの・・・っっ・・・」
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