恋・愛至上命令。
坂を少し上がると、監視カメラ付きの塀が囲み、シャッターみたいな開閉式の大きな門を構えたパッと見、お金持ちぽい佇まいの敷地が見えて来る。
出入りする車と人を見れば、大抵の人は遠巻きにしたくなると思うけど、・・・わたしにとっては生まれ育った我が家だ。それでも。

凪が車のヘッドライトを二度パッシングすると、中からの操作で門が開き。ガレージとは別の、4台分ある駐車スペースの一つにミニバンを停めた。
その奥に建て替えした二階建ての家と、元からの古い数寄屋風の平屋がくっついて建ってる。新築した母屋は来客と家族の為、大部屋が多い平屋は、合宿所みたいに住み込みの人達専用にしてあった。


「お帰りなさい、瀬里お嬢さん」

「ただいま、多紀(たき)さん」

玄関に迎えに出てきてくれた、黒シャツにスキンヘッドの渋いおじ様は、昔から家にいる組の幹部の一人。
ほとんどが親戚のおじさんみたいなもので、中にはお父さんより気安く思える人もいるくらい。この多紀さんもそう。
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