君を借りてもいいですか?
さっき持った時、あまり重そうなのは入っていない感じがした。

「あの…本当にいいんですか?もしかしたら食べ物だったりカタログギフトかもしれませんよ」

「それでもいいんだ。どれもこれも似たり寄ったりのものばかりで…そうじゃなくても今年は後2件ほど行かなきゃならないから」

うんざりした表情に同情したくなる。

見た感じ同世代だと思う。私もだが、20代後半になった途端結婚式に参加する機会が非常に増えた。

私の場合、結婚の予定はないのに式には出ているのでご祝儀貧乏なのだ。

結婚願望がそもそもないからこの先もご祝儀貧乏は続くであろう。

「わかりました。では遠慮なくいただきます」

「本当?よかった〜」

男性は本当に安堵していた。

でもこんなイケメンならいつでも結婚式の主役になれそうなのに……

そう思いながら紙袋を受け取り、お礼を言うと私は店を出た。
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