君を借りてもいいですか?
「ちょっと。栞今までどこに行ってたのよ」

「ごめんごめん。ちょっと気分が悪くなって休んでたの」

まさか白石さんと話しをしていたなんて言えるわけがない。しかもその内容が独身を貫きたいだなんて…

式が終わり引き出物を持って会場を出る時、白石さんと目があった。

彼は引き出物の入った袋を持ち上げ「これいらね〜」と声を出さずに口を動かした。

私たちだからこそわかるやりとりにフッと笑ってしまった。

でもそれだけ。

それ以後白石さんと会うことはなかった。
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