君を借りてもいいですか?
でもやっぱり言うしかないか……私は腹をくくる。

「圭子、その事なんだけど…この話なしにしてくれないかな?」

『はあ?なんで?今更それは––』

ですよね〜

「実は、彼氏ができたのよ」

『……えええええ?!』

しばしの沈黙の後圭子の驚いた声が受話器越しに響いた。

そりゃ〜驚くよね。実際はいないし、まだ白石さんにも返事をしていないのだから。

『ちょ、ちょっと誰よ?ってかいつの間に?』

「最近?相手はその……香代の結婚式に来ていた……白石さん」

まだメールで返事も送ってないの白石さんの名前を出してしまって良かったのかと不安になるが、もう時は既に遅かった。

『白石さんてあのイケメン御曹司?マジで?やったじゃん。凄いよ栞!』

圭子の喜ぶと声とは裏腹に心が痛む。

「せっかく紹介してくれるって言ったのにごめんね」

『いいよいいよ。それより今度白石さんを紹介してよ』

「え?紹介?」

『だって、もしかすると栞の旦那さまになるかもしれないんだよ〜友人としてちゃんとご挨拶しないと』

「付き合うイコール結婚とは限らないよ」

すぐに訂正するようにいうが、圭子の世話好きな性格を完全に忘れていた。

まだ、白石さんに連絡していないのにな〜

「とりあえず紹介する予定だった人には謝っといて欲しいな」

圭子はいいよと快く言ってくれて電話を切った。
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