君を借りてもいいですか?
すると湊人は上にあげていた腕を下ろし手を後ろに回す。

「じゃあ〜返すのや〜めた」

「え?何で?返してよ」

隠されるのは嫌だけど、それ以上に自分の下着が湊人の手の中にあることの方が超がつくほど恥ずかしい。

「取れるもんなら取ってみな」

すると湊人は私の下着を持ったまま歩き出した。

「え?ちょ、ちょっと!待って返してよ〜」

パンツを持って逃げる湊人、パンツを追いかける私。何なの?

何でこうなるの?

そして湊人は寝室へと逃げ込んだ。

「湊人?」

「だったら何で笑ったのか教えろよ」

そんなに気になることなの?もしかして私に笑われたことにプライドを傷つけられたと思った?

そんなんじゃないのにな……

「わかった。言うわよ」

すると湊人が立ち止まった。私と湊人はベッドを挟んで向かい合った状態だ。

「湊人が私を真似して洗濯物をパンパンしたでしょ?……それが何だか可愛くってそれで笑ったの。ねえ?言ったからパンツ返して」

「え?」

湊人はキョトンとした顔で私を見た。

「何だよ〜それは……」

湊人はベッドに腰掛けた。
< 95 / 115 >

この作品をシェア

pagetop