きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜
最後の肉親であった祖母を亡くしたあと、わたしは仕事やスーパーへ行く以外は、すっかり家に引き篭るようになってしまった。
当時つき合っていた彼氏は、そんなわたしの姿に最初は同情的だったのだが……
ある日のこと、
『ばあちゃんがおまえより先に逝くのはあたりまえなんだからさ。いつまでも、メソメソしてんじゃねえよ』
と、うっかり「本音」を漏らしてしまった。
ハッとした顔をして、すぐに『言い過ぎた、ごめん』と取り繕おうとしたが、すでにわたしの地雷を思いっきり踏んでしまったあとだった。
もともと、わたしが家を空けることをイヤがって彼からの外泊の誘いにも乗らず、休日のデートですら『おばあちゃんが一人さみしく晩ごはんを食べるなんて耐えられない』という理由で早々と帰宅したりして、彼がいろいろと「不満」を抱えているのはわかっていた。
そして、わたし以外の女の子の影も見えていた。