きみの左手薬指に 〜きみの夫になってあげます〜

そのとき、玄関先から ♪ ピンポーンと音がした。

……シンちゃん?

忘れ物でもして、取りに帰ったのかもしれない。


わたしは、弾かれたように立ち上がり、足早に応接間を出て、玄関に向かった。

三和土(たたき)に置いてあるサンダルをつっかけ、(せわ)しなく玄関のドアを解錠する。

そして、そのドアを外に向けて、大きく開いた。

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