今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
「でも、着眼点は悪くないと思う」
「え?」
「既視感が拭えないのは、今までにやった企画を参考にしてるからじゃね? もっと現場の声を聞いてニーズに合ったものにピントを絞ると良くなるかと、」
「待って、現場の声って」
サロンさんや、消費者の意見ってことでしょ?
良い提案だと思うけど、集計を取ってる時間はなんて……。
「あのさ、俺、こうみえて営業マンなんだけど」
だから、何? そんなの知ってるし、改まっていうことじゃないよね、と首を傾げた瞬間、藤原の言わんとしていることに気が付いた。
ニヤッと笑った藤原が、自分の胸を1つポンと叩く。
「1日に最低でも5つのサロンを回るし、市場に出向くこともあるっての。現場の声は嫌でも毎日耳にしてる」
「藤原-!」
「参考になりそうな資料を明日渡してやるよ。それ見て、明日死ぬ気で作ればいいだろ。だから、今日はみんなのところに行こうぜ」
「うん、ありがとう」
やっぱり、持つべきものは同期だね。
ホッとした瞬間、急激にお腹が空いてきて、ぐるぐるぐると激しい音を立てた私に、藤原は「恐竜でも飼ってるのかよ」と突っ込みながら笑う。