今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


ん? 誰? 部屋の電気を絞っているせいで姿ははっきり見えない。

だけど、あのシルエットは……。


「藤原?」

「ったく、いつまで仕事してんだよ。おっせぇ」

「ごめん。ってか、どうしてここに?」

「あぁ? お前を迎えに来たに決まってんだろ。つーか、まだ終わねぇーの?」


ズカズカと大股でこちらに近づいてきた藤原は、私が使っているデスクの隣の席にカバンを置き、キャスター付きの椅子に腰を下ろした。

それから、「ん」と、上着のポケットから缶コーヒーを取り出す。


「おっ、ありがと」

「何、新春の企画? 全然進んでねぇーじゃん」

「うん……」

「ちょっと見してみ、ってこれ既視感しかねぇーわ」

「言われなくても分かってます」


そうなんだよね、私の1番ダメなところ。オリジナリティが無いんです。

自分でも気づいているけど、才能やセンスがあるわけでもない凡人にひらめきが突然飛び出すわけないし、というかアイディアが降ってくるなら、どこからなのか教えて欲しい。

それくらい発想が乏しいのよ、残念ながら。

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