今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


そりゃぁ、女どうし面倒くさいなって思うこともある。喧嘩もするし、煩わしく感じたり、1人になりたい時だってあるけど、1人じゃなくて良かったと思う瞬間の方がはるかに多い。

そう付け加えると、水瀬さんは脱力したように項垂れた。


「なんだ、そうか」

「……もしかして、ずっと気にされてました?」

「ずっとというか、うん」


わーなに、その可愛い反応。

きまり悪そうに視線を泳がしてから、残りのビールを一気に煽る。

昌也と水瀬さんが会ったのは3日前。その間、私にどう切り出そうか考えていたってことでしょ? 部下がオカマに騙されているかもしれないって。

というか、その発想がもうすでに私の萌え心を掴んで離さないんですけど!


「笑うなよ、お前には前科があるだろ」

「前科?」

「困っていても相談しない。変に頑ななところがあるから、今回もそうかと思っただけだ」


相談っていうのは、大阪出張の時のことを言っているのかな。

あれは確かに悪いことをしたと反省しているけど、私ってそんな頑なだろうか。


「しなくていいのに、毎日残業するし」

「あれは、私の要領が悪いだけで」

「仕事の分担が多いなら、周りと相談して減らせばいいだろ。企画書を練るのだって立派な仕事だ。それなのに、お前は誰にも頼らず遅くまで残り、あげく雑用までこなしてる」


あぁ、コピー機の紙の補充とか、棚の整理とか。

遅くまで残っていると、どうしても気になってしまって、やってしまうのだけど、あれは私の善意というか、別に誰かに褒めて欲しくてしているわけじゃ。

ても、水瀬さんは気が付いてくれてたんだ。

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