今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


どこに落ちた? と周りをきょろきょろする藤原の足元にキラリと光るコンタクトがあった。最近、ドライアイ気味なこともありすぐに取れてしまう。


「ごめん、洗いに行ってくる」


変えのコンタクトを持っておらず、またケースもないので、水で洗ってから装着しようと女子トイレへ向かう。

フロアに端にある会議室からは下の階の女子トイレに行く方が近いので、半分ぼやけた世界が気持ち悪いなぁーと思いつつ階段を下りて行くと、すれ違う様に上に上がって来た人に声を掛けられた。


「あら!」

「えっ?」


誰だろう? 逆光のせいでよく見えない。

ぱちぱちと瞬きしながらその人物を凝視して、やっと誰だか分かった。柴咲さんだ。


「前に水瀬と一緒に大阪に来てた子でしょ」

「あっ、はい」

「聞いたわよ、今春の企画、最終に残ったんですって? おめでとう」

「いえまだ、本決まりではないので……」

「そうね」


噂は色々耳にしていたけど、実際にこうして話すのは初めてで、改めてそのオーラと美しさに圧倒される。

髪の毛1本、爪1つとっても抜かりなく女であることを最大の武器にしているようで、決して男に媚びるのではなく、自信と余裕に満ち溢れた大人の女性。

比べたって仕方ないと分かっていても、比べてしまう。

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