今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
「動けねぇーんだろ、乗れ」
「や! いいよ、私、重いし恥ずかしいし」
「俺だって恥ずかしいわ。けど、こんな時くらい素直に甘えろ。ほら早くしろって」
「藤原……」
こんな時に優しくされたら、さらに泣いちゃう。
藤原の背中は思っていたより広く、小柄な体のどこにそんな力があるのかと疑問に思うくらい簡単に私の体を背負って歩き出す。
やっぱり男なんだなぁ。
ひ弱そうに見えても優しそうな感じがしても男の人は力が強くて、ましてやナイフなんか持ってたら一溜まりもないよなぁと考えていると、今更ながら体が震えてきた。
怖かった、すごく。
「高木? どうした、マナーモードみたいになってっけど」
「なってないよ、藤原がプルプルしてるだけでしょ」
「誤魔化すなよ!」
「なに、そんなに怒鳴らなくても」
医務室には誰もいなかった。
簡易ベッドの上に私を下ろした藤原は、壁側にあるキャビネットから消毒液とガーゼを取り出し、私に足を出すように言った。自分でするからと断ったけどギロリと睨まれ却下。
どうしたのだろ? さっきから機嫌が悪い。
私、何か気に障るようなこと言ったっけ。