今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
初対面なのに、無性に「知りたい」と私に思わせたものは、彼の瞳。
静かでじっと動かない黒い瞳には、憂いが含まれていて薄暗いBARの中に溶け込んでいた。
どこか寂しげて、どこか儚げで、私は大胆にも彼に頬に手を添えると唇に自分の唇を重ねていた。
『目、閉じてよ』
『閉じる暇、あったっけ』
キスされて、気がつく恋もあるだろう。
けれど、私は自分からキスをして恋に堕ちた。
そしてもっと彼を好きになる、そう確信した第三印象。
運命と呼ぶべきか、宿命と言うべきか、人生には避けられない道があると思う。
透明な糸を巧みに張り巡らせた蜘蛛の巣に囚われるように、私は必然的に嵌ってしまった。
でも、所詮、BARで出会った男。
もう一度、偶然がなければ出会えない男だと思っていた。