今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。


「ここ、もう少し簡潔に書いた方がいい」

「えっと、待ってくださいね……こうですか?」

「あぁ、良くなった。後はだな、」


近い。近い。近い。

前かがみでパソコンの画面を覗き込んでくる水瀬さんの顔がすぐ近くにあって、思わず叫びそうになってしまい口元を抑える。

それをどう解釈したのか、いや、昨日の名残だと判断したのだろう。

どこかへふらっと消えて、戻ってきた水瀬さんは、二日酔いに効くと言われているドリンクを私が使っているデスクの上に置いた。


「出来る部下アピールは東京に帰ってからでいい。今日は無理するな」

「……はい」


なんなんですか、なんなんですかね、この人は。

優しかったり厳しかったり冷たかったり、やっぱり優しかったり。

恋愛しか頭にない女と思われたくなくて、仕事でも認められる女になりたくて、実際、水瀬さんの下で働くのが楽しくて、仕事中は業務に集中したいのに。

どうして、こう簡単にドキドキさせてくれるかなぁ。

心臓がいくつあっても足りないんだけど!


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